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ピンクダイヤモンドの価格

高価な投資対象であるファンシーカラーダイヤモンド。中でも特に価値が高いのはレッドダイヤモンドやブルーダイヤモンドで、これらのカラーについてはあまりに希少で、我々のような業者でもなかなかか目にする機会がありません。
一方で希少ながらも一定量が流通するピンクダイヤモンドは、4つの大きな要素に価値が左右されます。産出地、サイズ、カラー、そしてクラリティーです。今回はそれら4つの要素をご紹介したいと思います。

1.ピンクダイヤモンドの原産地

ピンクダイヤモンドの価値に大きな影響を与える要素の1つが産地です。なぜ原産地が重要なのか?アーガイル産ピンクダイヤモンドには高い価値が認められていますが、その背景をアーガイル社もしくは鉱山会社のリオ・ティントによる長年のブランディングの成果に過ぎないのではとお考えの方もいらっしゃいますが、実はそれだけではないのです。オーストラリア原産と南アフリカ原産のピンクダイヤモンドでは鉱物的な特性が大きく異なるのです。
Type IAと呼ばれる豪州産のピンクダイヤモンドは南アフリカ産のType IIAに比べ、強い彩度(Fancy Deep、Fancy IntenseからFancy Vivid)つまり魅力的なカラーを持つ石の割合が著しく高いことがわかっています。また、昼光の下でオーストラリア産のType IAについては影響を受けにくい一方、他の国々から産出されるType IIAのピンクダイヤモンドは彩度が下がるケースが多いこともわかっています。ファンシーカラーダイヤモンドはカラーが命ですから、Type IAが産出されるオーストラリア原産のピンクダイヤモンドであることが高い価値を裏付ける要因の1つになっています。

2.ピンクダイヤモンドのサイズ

カラーレスダイヤモンドへの投資に際しサイズは1.0ct以上が目安と言われています。理由は国際流通価格と小売価格の価格差が小さくなりはじめる価格帯がこの1.0ctというサイズだからです。
ピンクダイヤモンドについては投資に値するサイズは0.1ctもしくは0.2ct以上が目安となります。カラーレスダイヤモンドに比べてサイズが小さくなる理由は、オーストラリア原産のピンクダイヤモンドには 1.0ctを超えるような成長が見られないからです。
近年の海外オークションで落札された数十億円の価値をつけたピンクダイヤモンドはType IIAがほとんどで、Type IAはあのようなサイズには成長しません。

3.ピンクダイヤモンドのカラー

カラーレスダイヤモンドの投資においては無色透明のDカラーであることが必要条件となりますが、ピンクダイヤモンドは無色では価値が無く、魅力あるカラーを持つことが重要な要素となります。

ピンクダイヤモンドの在庫価格表
こちらの記事の表は弊社がご紹介できる異なるサイズやカラーのピンクダイヤモンド在庫について、1カラットあたりの価格で並べ替えを行ったものです。
価格は数百円から数千万円まで様々ですが、比較的サイズが小さいにも関わらず2PPや2Pといったカラーのルースは高いカラットあたりの価値を持つことが分かります。

4.ピンクダイヤモンドのクラリティー

ピンクダイヤモンドの世界ではクラリティーはそれほど重要視されません。なぜならオーストラリア原産のType IAのピンクダイヤモンドの場合、魅力的なカラーを持つ石には常に一定のインクリュージョンが認められるからです。国際的に数千万円で取引されるピンクダイヤモンドについてもクラリティーはP1やSI1などが一般的ですが、こうした内包物は価値に悪い影響を与えません。カラーレスダイヤモンドのようにIF(インターナリー・フローレス)といった内部に欠点がないことを求められてはいないのです。

これらのことからピンクダイヤモンドについては、カラーレスダイヤモンドとは異なる価値の基準が存在することをご理解いただけるかと思います。具体的なご予算に応じてどのようなルースが手に入るかなど、ご質問等がござましたらいつでもお問い合わせください。